脳神経外科の医師(常勤・非常勤)求人ガイド

病後はダメージを受けた脳細胞の活性化や基礎疾患の治療を目的とした服薬が必要

血管拡張薬などが処方されます

退院後は、家族や周囲の人の協力のもと、脳卒中の再発予防を含めた健康管理を行っていく必要があります。再発を予防するためには、従来の生活習慣の見直しと平行して、血圧管理や基礎疾患の治療も重要となります。

脳卒中の病後には、ダメージを受けた脳細胞を活性化させる目的や、高血圧などの基礎疾患をコントロールするため数種類の薬が処方されます。医師や薬剤師の指導の下、正しく服用することが大切です。

脳代謝賦活剤:脳組織に直接働きかけて脳の代謝を改善します。脳内の酸素消費量を増やし、脳の栄養となるブドウ糖の取り込みを促進させる薬と、神経伝達物質に働きかけるものがあります。

脳循環改善薬・血管拡張薬:脳細胞の周辺の血流を改善することで、ダメージを受けた部位の活性化を図ります。脳循環改善薬は神経に働きかけ、血管拡張薬は血管の平滑筋に作用して血管を広げて、血流をよくします。これらの薬は頭痛や眩暈にも効果的な場合もあります。

その他の薬:脳外科手術を受けると、しばらく痙攣が起こることがあるため、抗けいれん薬が処方されます。そのほか、脳卒中の危険因子である動脈硬化や高血圧症などの治療薬、精神面をケアする抗不安薬、疼痛の治療薬などが処方されることがあります。

脳卒中そのものに対する特効薬というのは存在しませんが、医師から処方される先述の薬を正しく服用すれば、少しずつ効果が現われてきます。自分の判断で勝手に中断したりしないで、指示通り服用しましょう。市販薬も含め、ほかの病気で違う薬を飲む必要がある場合には、必ず主治医に相談しましょう。薬によっては相性が悪く、効果が相殺されたり、逆に効き過ぎて予期せぬ副作用が生じる場合があるためです。

また、薬の服用によって吐き気・王と、食欲不振、頭痛、便秘・下痢、胃の不快感、発疹、眩暈などが現れたときは副作用が疑われますので、一旦服用を中止して、医師に相談します。

脳卒中の後遺症により麻痺や嚥下障害がある場合には、薬を飲み込むにも一苦労ですし、失認や失行があるばあには、薬の管理があいまいになります。したがって、家族や周囲の人は、積極的に薬の管理や介助を行う必要があります。

脳卒中の病後に現われやすい症状とそのケア

健康管理に気をつける

脳卒中の病後には以下のようなさまざまな症状が現われます。異常を感じたときには、速やかに医師に相談するようにしましょう。

けいれん発作:手術後に現われやすいけいれんの発作は抗けいれん薬で抑えます。比較手短時間でおさまることが多いので、家族の人は慌てずに対処しましょう。転倒すると打撲や骨折に繋がるので、患者さんが安全な場所で休めるようにします。

打撲・骨折:麻痺のため体の動きがぎこちない場合、リハビリや日常生活で転倒しやすくなります。打撲程度で済めばそれほど問題ありませんが、高齢者には骨粗鬆症の方が多く、ちょっとした転倒で骨折したりします。室内環境の整備などで予防することが大切です。

疼痛:麻痺の部分を動かしたときに生じる痛み、リハビリで過度な運動をしたときの筋肉痛などは、痛みを抑える消炎鎮痛薬や麻酔薬による神経ブロック地ろ湯、各種の物理療法などが使用されます。

失禁・便秘:よほど酷い場合は別として、オムツは使わずにできるだけ排泄の自立に近い方法で介助します。軽い尿漏れなら失禁パッドで対処できます。夜間の失禁が多い場合には、トイレに行く時間をコントロールする薬物治療が行われることもあります。便秘がある場合、緩下剤や浣腸を使用します。歩行が難しい患者さんでも、普段からできるだけ座位での排泄を習慣付けておくことが大切です。

認知症・精神機能の低下:寝たままの状態で、外部との刺激が少ないと、認知症の進行や精神機能の低下を招くことがあります。できるだけ座位で過ごし、将棋や囲碁などの趣味を持つなどして、心身機能に刺激を与えることが大切です。体が藤湯になったことで精神的なショックを受け、抑うつ状態が続く場合には、精神科での治療が必要になることもあります。

床ずれ:麻痺によって同じ姿勢でいる時間が多い場合に、寝具と体が密着する部分の血行不良が起きて発症します。予防が大切なので、体位変換をこまめに行い、局所の圧迫を避けるようにしましょう。また、寝具と体の長時間密着を防ぐために、床ずれ帽子マットを使用するのも効果的です。

床ずれを発症した場合には、軽く拭いて清潔な状態を保ち、消毒してガーゼを当てるなどの応急処置をした上で、早めに医師の診察を受けるようにします。床ずれの範囲が広く傷が深い場合には、外科手術が必要な場合もあります。

 
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